日産自動車の子会社である日産車体へキャンペーンを展開しているアクティビストファンドのストラテジックキャピタルですが、親会社である日産自動車へ『貴社の子会社である日産車体株式会社の課題とその解決について』と題する書簡を送付しました。
本書簡において、「弊社は、貴社の株式を 300 単位保有し」との記載があり、ストラテジックキャピタルが日産自動車本体の株式も保有していることがわかります。(当サイトが認識する限り初出ですが誤りでしたらすみません。)
日産車体の問題点として以下の3点が挙げられており、これらの問題は全て日産が50.0%の大株主であることに起因するものであるとの説明がなされております。
1. 業績の低迷
2.少数株主の意向を無視した取締役選任と資金提供
3.流通株式の不足による上場廃止
1及び2は、日産車体へのキャンペーンサイトでも掲載されている論点です。
3については、日産車体の株式を日産自動車が 50.0%とエフィッシモが 29.7%の株式を保有していることから、流通株式比率が低く、東京証券取引所の上場廃止基準に抵触しているとの説明。
ストラテジックキャピタルが主張する問題の解決案は以下
※ストラテジックキャピタル「貴社の子会社である日産車体株式会社の課題とその解決について」より
最後に、問題点の三つ目として挙げられている日産車体の「流通比率」に関して補足です。
日産車体の流通株式比率は以下のとおり、2021年6月末時点(移行基準日):40.0%⇒2024年3月末時点:18.9%、となっております。
※日産車体株式会社「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」より
この結果は、流通株式の適合性の判定に関するエフィッシモの協力を得ることができなかったことが原因なのですが、本件についてはまた別の記事でまとめたいと思います。