ベイン・キャピタルによる公開買付け提案予告を受け、KKRが2024年9月19日に富士ソフト株式会社非公開化に関する訂正届出を提出しております。(ベインによる買収提案提出予定に関する記事はこちら)
KKR:KKR、富士ソフトに関する公開買付訂正届出書を提出
二段階の公開買付けにストラクチャーへを変更し、現在進行中の公開買付けを実施(一段階目)後、実務上可能な範囲で速やかに一段階目と同じ公開買付価格で、スクイーズ・アウト可能な水準・買付予定数の上限なしの二段階目の公開買付けを開始。
一段階目の公開買付けには、3Dインベストメント(23.46%)及びファラロン(9.22%)は応募済み(応募契約に基づき撤回は無し)のため、一段階目の公開買付けで、KKRは少なくとも32.68%を保有する株主となるとのこと。
以下、KKRの開示資料
※KKR「富士ソフト株式会社非公開化に関する訂正届出に関する補足資料」より
本スキーム変更は、ベインキャピタルによる「提案予告」により生じている市場の混乱への対応とステークホルダーの懸念の払拭を意図していると説明されており、ベインの公開買付価格は、KKRの公開買付価格の5%程度を上回るとの報道がなされておりますので、現在進行中の公開買付けの不成立を避けたいというのが狙いでしょう。
一段階目の公開買付けが成立(KKRが富士ソフト株式を32.68%以上保有)した場合は、ベインの公開買付けは開始されない可能性が高く、一段階目の公開買付け終了(10月21日)までにベインが公開買付けを開始できるのか。
また、公開買付開始変更プレスには、3Dインベストメント及びファラロンは、KKRの承諾なく応募撤回しない旨を確認しているとの記載もありますが、仮に富士ソフトが賛同意見表明を変更又は撤回した場合はどうなるのか気になるところです。
公開買付者は、2024 年9月 19 日付訂正届出書の提出日現在、各本応募株主が、それぞれ各本応募契約に基づき、各本応募予定株券等を既に応募したこと、及び、公開買付者の承諾なく応募を撤回しない旨を確認しております。
引用元:KKR「(変更)FK 株式会社による公開買付届出書の訂正届出書の提出に伴う「富士ソフト株式会社(証券コード:9749)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ」
情報漏洩リスクの観点から、本スキーム変更について、KKRは富士ソフトとの間で事前協議を行っていないとのことですが、富士ソフトがどのような対応をするのか注目です。
公開買付者は、ベインキャピタルプレスリリースの公表以降、本取引に関する報道が多くなされるなど注目を集める案件となっているものと認識しており、情報漏洩リスクが高まっていると考えていること、及び、対象者は、ベインキャピタルに対するデュー・ディリジェンスの機会の付与を継続しているとのことから、公開買付者は、情報漏洩への懸念があると判断し、2024 年9月 19 日付訂正届出書の提出に先立ち対象者との間で本下限撤廃及び第2回公開買付けの実施に関する協議を行っておりませんが、2024 年9月 19 日付訂正届出書提出日以降速やかに、対象者に対して本下限撤廃及び第2回公開買付けの実施並びにそれらの理由について説明し、本両公開買付けに対する賛同の意見並びに対象者の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して、本両公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を維持していただくことを要請する予定です。
引用元:KKR「(変更)FK 株式会社による公開買付届出書の訂正届出書の提出に伴う「富士ソフト株式会社(証券コード:9749)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の変更に関するお知らせ」