10月11日にベインキャピタルが富士ソフトへのTOB予告を公表しておりましたが、富士ソフトは現在進行中のKKRによるTOBに対して、賛同表明を継続するようです。(ベインによる予告TOBに関する記事はこちら)
富士ソフト:(変更)「FK株式会社による当社株券等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」の一部変更について
会社側は特別委員会から大要以下の内容の意見書(答申書ではない)を受領し、その内容も踏まえ判断をしたようです。
①KKR及びベインキャピタルのこれまでの能力・実績を照らし合わせると、非公開化取引を行う一般的なメリットの点において、本取引がベインキャピタルによる提案に劣ると判断する材料はない
②KKRによる第1回公開買付けの条件に変更はなく、第1回公開買付けは3DIP及びFarallonの応募により成立する見通しであり、KKRが第2回公開買付けを開始することを既に予告している
③本取引の条件の妥当性及び手続の公正性に関連して本特別委員会が認定した前提事実及び評価を覆す事情もなく、これらの意見に変更はない
④当社の少数株主が2024年10月11日付ベインキャピタルプレスリリースに記載されたベインキャピタルによる当社株券等への公開買付けへの応募余地を検討するため熟慮する場合であっても、当社の少数株主には、第2回公開買付けにて、第1回公開買付けと同額の8,800円で応募する選択肢が残されており、第1回公開買付けについて、賛同及び応募推奨の意見を維持するが、当社の少数株主が第1回公開買付けに応募せず、ベインキャピタルの提案の帰趨を踏まえつつ、第2回公開買付けへの応募を選択することも合理的であるため、斯様な少数株主の判断を積極的に排斥する趣旨ではない
ベインキャピタルによるTOBに対する意見については決定しておらず、TOB開始時に表明するとのこと。
意見表明変更プレスリリースには、「公開買付者による第2回公開買付けへの応募を選択することも合理的である旨を同時に付言することについて、審議及び決議に参加しなかった坂下氏を除く取締役の過半数の賛成により、決議いたしました。」と記載されており、取締役全員一致の意見表明でなかった可能性があります(一般的には全員一致であれば、その旨が記載されているとの理解です。)。
富士ソフトの創業者で、大株主の野沢宏氏がベインTOBへ応募推奨意見を出すよう同社へ求める意見書を提出した旨の報道もなされており、会社内部でも意見の対立が発生しているのかもしれません。