2024年10月18日に富洋海運グループの堂島汽船が兵機海運に対して事前同意なきTOBを公表し、兵機海運は10月30日に「留保」の意見表明を公表しておりました。(これまでの本件経緯に関する記事はこちら)
その後、11月15日に兵機海運は本TOBに対して、「反対」の意見を表明するプレスリリースを公表しました。
ご参考:兵機海運株式会社「堂島汽船株式会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」
反対の意見表明の理由としては以下の説明がなされております。
(ⅰ)公開買付者らの実態が明らかではなく、公開買付者が上場会社である当社の大株主となり経営に関与することに重大な懸念があり、また取引先や従業員からも不安の声が上がっていること
(ⅱ)公開買付者らと当社が資本業務提携を実施したとしても、公開買付者らが想定している事業シナジーの発現は期待できないこと
(ⅲ)本公開買付け後に公開買付者らと当社との間で、資本業務提携のパートナーとして信頼関係を築くことが困難であること
(ⅳ)本公開買付けが、強圧性を有する公開買付けであり、当社の一般株主の利益を損なうものであること
※兵機海運株式会社「堂島汽船株式会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」より
事前同意なきTOB公表後に兵機海運は大和工業グループとの資本業務提携を公表しておりましたので、「反対」の意見表明公表は想定通りといったところでしょうか。
堂島汽船によるTOB価格は3,250円であるのに対し、兵機海運の現在(11月15日終値)の株価は3,460円ですので、TOB上限である19%まで応募が集まるかは現時点で不透明です。(下限設定はなされていない為、TOB成立は見込まれております。)
TOB期間は2024年11月29日(金)迄。
TOB後は、堂島汽船の取締役選任を巡りプロキシーファイトに発展する可能性もあるかもしれません。