2024年10月18日に、株式会社富洋海運の完全子会社である堂島汽船株式会社が、スタンダード市場に上場している兵機海運株式会社に対して、事前同意なきTOBを公表しました。
堂島汽船は非公開会社である富洋海運が本TOBの為に設立したSPCとのことです。
2024年4月に富洋海運は兵機海運に対し資本業務提携に関する提案書を提出したものの、同年5月に謝絶。
その後も継続して交渉していたようですが、検討が進まずTOBに踏み切ったようです。
プレミアムは、TOB決定日の前営業日対比で20,37%。
上限は仕上がりで19%、下限はなしのスキームで、設定の理由については下記のとおり説明されております。
買付予定数の上限については、対象者との資本業務提携のための発言力を強化していくためには、可能な限り対象者株式を所有することが望ましいと考える一方で、対象者の経営の独立性を維持する観点から、対象者を公開買付者又は富洋海運の持分法適用関連会社とすることまでは企図していないことから、議決権比率に換算して、公開買付者及び富洋海運の所有割合を併せて20%を下回る株式の取得に留めることが望ましいと考えました。
引用元:堂島汽船株式会社 公開買付届出書
TOB後の経営方針として、富洋海運は役員派遣と資本業務提携の締結を予定しているとのこと。
兵機海運の株主構成をみると非安定の個人株主が多く、19%の株式を取得すれば、自らの要求を通せると富洋海運は読んでいるのでしょうか。
※兵機海運株式会社 「第81期有価証券報告書」より
その他、TOB概要は以下のとおり。
※堂島汽船株式会社 「富洋海運グループ、兵機海運株式会社に対する公開買付け(TOB)を実施」より
今後公表される、兵機海運の意見表明の内容に注目です。